10/12(日)の夜にshelf volume18公演 [deprived]を観に行ってきました。
この公演を観に行こうと思ったのは、春日茉衣さん がご出演されるからです。
毎回楽しみにしているshelf公演。
4月に上演され観劇した[deprived(仮)]をブラッシュアップし新しく
なっているのも期待感(^ω^)
shelf volume18公演
『 [deprived] 』
構成・演出 / 矢野靖人
★以下、内容に触れる感想を含むため問題ない方は読んで下さいね★
会場は、前回[deprived(仮)]が上演されたキッド・アイラック ・ホール。
この会場のお客さんと俳優さんが共有する空間の中、目の前で演じられる
俳優さんの語り、歌に圧倒されながら観劇するのがすごく面白いんです。
俳優さんを観ていると、会場の構成上、観劇されているお客さんの感じ
とかも一緒に目に入ってきたりして、同じところで笑っていたりするのを
観えたりするのとかも面白かったです。
会場に入った瞬間、春日さんあのお洋服だー!って気づいた。
開演前に俳優さんたちの動きを見ているのも楽しくて、今回は、前回から
新しくなられた俳優さんの渡辺真美さんが新しい方だなと思いながら、
動きが面白かったので注目していました。足をあげて踏ん張って、少し
したら戻す動きに、足を投げ出しているときに勝手に力が入り、戻した
時に勝手にほっとしていました(笑
開演すると、優子さんが移動して、(仮)の記憶が思い出され、日本国憲法
の語りから始まり、低トーンの語りが最初は緊張感無く入り込めました。
語りの声量が大きくなると緊張感が高まる。
日本国憲法の時、ほかの俳優さんたちが順に手をあげていくところが、
やっぱり優子先生だ!と感じました(^ω^)
三橋さん語りの時の表情に迫力があったなあ。さるすべりのときの
「うれしぃーーーーーーーーーーーーー!」が好きでした。面白い。
開場からずっと横になっていて、表情が見えない森さんが、仰向け
になると「あっ!今回眼鏡かけてる!」って思いました!
そして、大好きなシーンの森さんが移動するとみんなそれについて
また一直線に並ぶくだり。春日さんがすごく楽しそうで、並ぶ位置を
微調整しているところが良かったです。
最後、優子さんもその列に入る(^ω^)
横に並んでいて、次は縦に並んで、間をあけないで詰めてる感じが
面白い。途中、小川だけ抜けた時に、後列の渡辺さんが前に詰めたら、
前にいる春日さんのお団子ヘアに当たりそうになってる所とか随所に
楽しさがあって、何度も笑っちゃった。ここすごい好き!
気持ちの中では一緒に並んでます、というか並びたいです(笑
列を抜けた小川さんが歌う君が代の迫力。京都公演から出来上がった
shelf volume18公演 [deprived]の小川さんの歌のPV(笑)のyoutubeを
観ていて、そのインパクトにまたこのシーンを見れるの楽しみにして
いたんです。したら迫力に圧倒された!
そして、春日さんの語りの所、僕も89歳と語るその口調になんだか
自然と年輪を重ねた声に感じたところが違うなあ!と感じられて
良かったですね。
語りながら手を広げているところを観ると、全身で太陽を浴びている
ような風景を思い浮かべる。三橋さんも手を広げてた。
春日さんの語りが終わったときに、優子さんが拍手されているのを
観て、僕も拍手したかったです。
ここで、感じたのが、春日さんが語った後に、拍手が優子さんだけ
だったのにしゅんとしたのか、壁の方に歩いて行ってお顔をみせて
くれなくなっちゃったんだって思っていました。
渡辺さんのデモクラシーの話も人に聞いてもらおうという雰囲気の
語りが良かったなあ。
それは、俳優に向けて、お客さんに向けてであったり。
人肉の件の裁判のシーン、優子さんの存在感がほんとすごい!
被告とのやり取りは語りのキャッチボールがあり、それもすごく
良かったです。
被告へ攻め込むような語りっぷりの優子さんのシーンがすごく高揚
しました!
途中で盛り立てる拍手のそろいっぷり楽しいですね!
終演後は、プチ打ち上げがあり、お話しできたりするのも
楽しかったです。
10/20までキッド・アイラック・アート・ホールで公演中!
■演出ノート
当初、公演のタイトルとして「private」というものを考えていました。何年前のことだったか、ちょっと忘れてしまいましたが、「プライベート(private)」という言葉の語源には「奪われている(deprived)」という意味があるということを知って、先日そのことをふと、思い出した。タイトルの所以はここに拠ります。
そもそも「プライベート(private)」は英語で「私的な」という意味を指す言葉ですが、実はその対義語である「パブリック(public)」よりも後に生まれた言葉なのだそうで、privateという概念が発達する以前には、ヨーロッパでは人はみんな、state、public、communityに属していて、その一員としてのstatus/officeを持っていた。その所属関係から「分離した、separated、set apart」もの、その所属関係 (status/position) を「奪われた, deprived」もの。それが、privateなのだそうです。
そのことが今、ちょっと面白い。「公共(public)」という言葉がそこかしこで叫ばれている今、「私的」なこととはいったいどういうことをさすのか? ということを考え直してみたい。しかもそれが「奪われている」とはどういうことか。我々は今、何を奪われているのか?
上演には題材に太宰治の小説や武者小路実篤のエッセー、日本国憲法前文、第一次大戦に従軍して戦死したイギリス詩人の詩などを用います。とにもかくにも、言葉の幅を出来るだけ広く取りつつ人間の主体、即ち、「私」、「私たち」、「国民」、「人間」などについて考察し、実践するかたちでそれらの発語の現場を捉え、それをもとに私たちのためのドラマとして一つの時間と空間の芸術作品として上梓したいと思っています。
会場はどの都市も、小さなギャラリースペースです。音響・照明も既存のものの他に特別なものは使わず、俳優の 「語り」 の力だけで勝負したいと思っています。そして、観客の皆様と出来るだけ緊密な空間を作りたい。自分とは異なる文脈を生きる“他者”との出会い、“対話”のための空間として。
2014年7月 演出 矢野靖人
■日程
10月15日(水)15:00/20:00
10月16日(木)20:00
10月17日(金)20:00
10月18日(土)19:00
10月19日(日)15:00/19:00
10月20日(月)20:00
上演時間は約60分です。
■会場
キッド・アイラック・アート・ホール 5Fギャラリー
東京都世田谷区松原2-43-11
■チケット
一般 前売り2500円/当日3000円
学生:前売・当日共に2000円(要学生証提示)
■キャスト
川渕優子
春日茉衣
森祐介
小川敦子
渡辺真美
三橋麻子
■スタッフ
構成・演出 / 矢野靖人
そんなこんなで。