9月29日(土) に朗読劇【遠き夏の日】を観に行ってきました。
この公演を観に行こうと思ったのは、円谷優希ちゃんがご出演されるからです。
朗読劇【遠き夏の日】
主催/テンダープロ
【公演期間終了】
★以下、内容に触れる感想を含むため問題ない方は読んで下さいね★
昨年に引き続き観た本作。
戦時の日本をお芝居を通して語り継がれていて平和への願い想いを感じ
目が潤みました。
つむちゃんのはえる声と気持ちが届く語りがとっても素敵で(;ω;)
そして、松原智恵子さん、新藤栄作さんとすごい方々も共演されていて
語りが素晴らしきでした!
朗読劇公演時間:1時間。
前説に、阿部祐二さんと共に長坂哲夫さんが出て来てびっくりしたあ!
長坂さんも出演者に居たんだね。長坂さんフジテレビでプロレスの実況
担当していたころからめっちゃ好きだったので嬉しかったなあ。
STORY
戦後73年を迎え、決して忘れてはならない尊い命の上に私たちは生きている。
平和を願い、混沌とした時代の中で羽ばたいて行った若者達。
あの日より、この地球は輝いていますか・・・。
始まりのピアノ演奏、音がいきなり沁みるよね。
時は昭和から平成に変わり30年。月日が経つのは早いものですね。
と語るのは、今年は松原智恵子さん!!!←松原さんのお芝居観れるとかすごい!
松原さん演じる87歳の老婆ふさえは、たもつ達へあなたたちはあの時の
姿のまま、私の心の中に生きていますと想いを馳せる。
目を閉じると遠い夏の日が、昨日のことのように思い出されると。
伝えられなかった想いがあるとゆうふさえ。
阿部祐二さん演じる男子たち3人がカラオケに行こうとする途中で、
阿部さんas17歳のみつおが道すがらでうずくまっているお遍路さんを見つけて
一人で様子を伺いに行くの。仲間たちはカラオケへ向かい。
そのお遍路さんが松原さん演じるふさえでね。
お遍路さんが熱中症になってしまうと飲み物を買いに来てくれる優しいみつお。
ふさえがたもつに出会ったのは昭和20年、鹿児島の特攻出撃基地。
出会いは、たもつが怪我をした小鳥を助けてあげて欲しいってゆう素敵な
エピソードで。
シーンは、戦時の様子に切り替わる。
今年は、日野美歌さんが横山食堂のおばさんを演じていてね、つむちゃんa.k.a.
円谷優希ちゃんは昨年の公演を同じく若い頃のふさえを演じていて。
朝から夕方まで工場で仕事して、夜は食堂で仕事をしているふさえたち女子挺身隊。
戦争の行く先を案ずるつむちゃんasふさえの語り良かったなあ。
特攻整備班の兵士たちは自分たちが消耗品なのか?と荒れている姿は見ていて
辛かったし、松原さんが語る「特攻とは、命とは…。」の声色がその想いを
さらに掻き立ててくれて素晴らしかった。
阿部さんasたもつは特攻の指令が出るのを待っている状態で。
仲間たちとの語りが沁みるよね。
その場に、特攻整備班の山口と前田がやってくる。
山口の夢は相撲部屋への入門。
前田の夢は噺家。
その後、たもつが優しく2人に「噺家になれ!相撲取りになれ!!」って
声をかけて励ましてくれる所好きだったなあ。気持ちがあがる。
横山食堂からもらった差し入れを、山口と前田にも食べるように言うと、
整備班として報告に来た自分たちだけが食べることはできないと断るの。
整備班の仲間はみんな毎日毎日徹夜で腹がすいていてと意志が揺るがない
語りの後、たもつが「山口、前田っ!全部持ってけ!持って行ってみんなで食え!
俺たちは腹が一杯だ。」というとみんなもそれに続いてくれて持って行かせて
くれるシーンほんとうるうる来た。
新しい隊長がやってくる。その隊長は福島の飛行場で長官をしていた
新藤栄作さん演じる関口中尉。関口中尉はたもつの兄なの。
この知らせにたもつは嬉しそうな様子を浮かべないの。
他の兵隊たちは、嬉しそうに気持ちが高ぶっていて対照的なのが印象に残りました。
「失礼しますっ!」と一声をあげ、登場する関口中尉。
「ただいま着任しました!!」と新藤さんが舞台上に登場するとほんと
その場が高まるよね。
やはり感じたのが新藤さんのお芝居のすごさ!圧倒的に感じました。
かっこよかったなあ。
長坂哲夫さん演じる竹内大佐への挨拶をする関口。
長坂さんの関口を優しく迎え入れる感じが好きだったな。
関口兄弟は継母に育てられていて、たもつは幼い時にその事実が許せなかったと
ゆう会話を兄が竹内大佐へ語るの。
久しぶりに再会した2人は近況を話し合っていて。
竹内大佐は関口中尉に「なぜ特攻なんかに志願した?」と尋ねると、関口が
「私が志願したのは、父、母、妻、家族を守るためです。私たちが戦わなければ
家族はどうなると思います?そのために志願したんです!」と志が熱い!
竹内大佐は関口中尉に日本の戦線が大きく後退している実情から、特攻という戦略
を続けることが良い戦法なのだろうか、命を爆弾に変えることが戦略と言えるのか?
と関口に熱く語るも。
関口はそれは、みんな分かっていると前置きをしたうえで、福島の訓練所で、
たくさんの若者に死に方を教えてきた。国を守るため、家族を守るためだと。
生涯たった一度の実践のために。その想いがいま揺らいでしまったら飛ぶこと
などできない。疑いを持たず飛ばせてやってくださいと竹内大佐に熱く縋るように
語る関口中尉。
これを汲んだ竹内大佐は「関口中尉、明朝、沖縄に向け出撃せよ!」と命令を出すの。
関口中尉はこれを了解する。
熱くかわされる2人の語りがほんと胸に刺さる。
特攻とはなんなのでしょうか?
命とはなんなのでしょうか?
何人も何人もたくさんの人を涙を流しながら見送りましたと語る現代のふさえ。
あとどれくらい見送れば戦争は終わるのですか?
あとどれくらい涙を流せば戦争は終わるのですか?
いますぐ戦争が終わりますようにと願っていたふさえの語り。
関口中尉が出撃を待つみんなの元へやってくる。
関口中尉との久しぶりの再会に若い兵隊たちは会話が弾み喜びを見せてたよね。
慕われている感じがほんと伝わる。
関口中尉は弟のたもつに声をかける。すると、まわりのみんながたもつが
横山食堂のふさえという女性のことが好きになったってことを中尉にばらしちゃうの。
これに怒ってるたもつ。
中尉から、明朝沖縄に向けて出撃すると命令が下され、出撃まで待機命令が出て一旦、
解散となる。
関口兄弟の会話では、継母の話題に。
継母を母と認められないたもつに対して何故頑なに心を閉ざすのだと詰め寄る兄。
子供の頃に亡くなった母に変わり、色々とやってきてくれた継母は、自分たちが
幼い頃に寂しい思いをさせないようにしてくれていたと。
兄がたもつへ、継母の心の中に寂しさだけを残して行くのか?継母のことをお母さんと
呼んでやってくれと告げる。
横山食堂では、出撃前の日の夜を賑やかに過ごすみんな。
「いつかはこの日が来ると覚悟していたけど…。」とふさえがたもつへ語る。
たもつと過ごす最後の夜。
たもつの言葉に「どこにも行けなくていい、何もいらない、だから、だから…。」
と語るふさえ。たもつを失うことが怖いふさえはたもつの形見としてハーモニカを
受け取るの(・_・、)うぅ
その後、たもつがふさえに「僕はあなたを…。」と言おうとしたところで仲間の
「みんな!」と呼びかける声にかき消されてしまい、横山食堂での最後の宴が終わるの。
なんて言おうとしていたのがすごく気になるシーンだったなあ。
「・・・明日早いから帰るぞ。」の言葉に、みんなが挨拶をして横山食堂を後にする。
「ありがとうございました。御恩は忘れません!」がたもつの最後の挨拶。
関口中尉は弟のたもつが好意を寄せるふさえの元を訪ねるの。
たもつがお世話になったことを隊員から聞いてどうしても会っておきたくてと。
何度も共演を重ねている新藤さんとつむちゃんのシーン観れて嬉しかったなあ。
明日もう一度、たもつに会ってやってはくれませんか?とお願いし「はい。」と
返答するふさえ。兄の配慮がほんと優しさを感じる。
明朝となり、出撃の日を向かえる。
関口中尉の語りはみんなを鼓舞するようでもあり、そうやって自分を奮い立たせないと
言えない言葉でもあるのではないかなあと感じながらシーンを観ていました。
「次は靖国で会おう。」と約束を交わす山桜隊。
関口中尉は弟のたもつに昨夜、ふさえさんに会ったことを話し、ここにふさえさんが来て
いると2人の時間を作ってくれるの。
もっと早く会えていればよかった、こんな時代じゃないときに会えていればと語るふさえは
さよならは言いませんとたもつに続けて語るの。
「あなたのことは忘れません。あなたの作ってくれた料理本当に美味しかった。
できることなら、ほかのものも毎日食べたかった。この手紙を国の母に届けて
頂けませんか。」
「必ずお届けします。」
「では。」
「死なないで!生きて、生きて、帰ってきて…。」
と2人の言葉が交わされる。ラストのつむちゃんasふさえの語りが素晴らしかった!!
出撃する山桜隊。
そこに来たのは、岡元あつこさん演じるたもつの母、関口きぬ。
(岡元さんも昨年と同じ役を演じておられました)
ふさえがたもつの母に出撃したことを告げる。
元気で飛んで行かれたという言葉に「ありがとうございます。」と深く感謝する継母。
2人の姿を見たいと思って遠くからやってきた母の語りは、存在しないシーンをも想像
させるものだったなあ。函館からわざわざ来る母(・_・、)
継母に、たもつから受け取った手紙を渡すふさえ。
ふさえはその時に「お母さん」って言っていたことを伝えてくれて、それを聞いた
継母の表情が(・_・、)うぅ
母への手紙を阿部さんasたもつが語る。
感謝の気持ちが詰まった母への手紙、小さい頃からお母さんと呼ばなかったことへの謝罪。
そして、今までためておいたお金が同封されており、母が好きなものを買ってください。
いつまでもご健勝で、最後に「お母さん」と綴られる。
現在のふさえが約束通り、お母さんへ手紙を届けたことを天国のたもつへ向けて語る。
あれから73年の月日が経ち、お遍路の旅をしているふさえはこれが最後の旅になるかも
しれないと感じている。
すると、先ほどの阿部さん演じる男の子が飲み物を買って帰って来てくれる。
名前を聞いていなかったふさえが阿部さん演じる男の子の名前を聞くと、その名前は
「光男」。
昔、あなたに良く似た人が居た。
心では受け入れているのに、態度でそれを表すことが出来ず、最後には一枚の紙に
気持ちを書き記して、あの空の彼方へ飛んで行ってしまった。天国へ。
今のあなた(光男)と同じ歳だった。
あの時代の若い人たちは、自分がしたいこと、やりたいこと何一つやることが出来なかった。
思うように生きられなかった。
でも、今は自分が思ったことを何でもやれる。光男くんへエールを送るふさえ。
光男はなんのことだか分からずも、ふさえに感謝と共に別れを告げる。
ふさえはたもつの形見のハーモニカをいつまでもお守りとして持っている。
ふさえが目を閉じると、あなたは、あの夏の日のまま。
以上で朗読劇終演。
【遠き夏の日】ほんと沁みたなあ。
公演が終わった時に隣に座っていた方が「一番良かった。声も聞きやすくて気持ちが
前にバンと伝わってきた!」って一緒に来ていた人に言っていて、スマホでつむちゃん
のことを検索していて自分のことのようにすごく嬉しくなっちゃった。
朗読劇終演後は、日野美歌さんのライブもあって素敵な歌声でとっても良かったです!!
■内容
戦後73年を迎え、決して忘れてはならない尊い命の上に私たちは生きている。
平和を願い、混沌とした時代の中で羽ばたいて行った若者達。
あの日より、この地球は輝いていますか・・・。
■キャスト
阿部祐二
日野美歌
新藤栄作
松原智恵子
岡元あつこ
円谷優希
鶴巻星奈
長坂哲夫
ほか
■スタッフ
主催/テンダープロ
そんなこんなで。