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ジュオスタレーションVol.3.1 舞台「AFFECTION」

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1/21(土)にジュオスタレーションVol.3.1 舞台「AFFECTION」ソワレ公演を観にってきました。


この公演を観に行こうと思ったのは、井吹俊信さんがご出演されるからです。




ジュオスタレーションVol.3.1
舞台「AFFECTION」
脚本:ジュオス藤桑、佐藤舞希子
演出:ジュオス藤桑


舞台「AFFECTION」

舞台「AFFECTION」






【公演期間終了】
★以下、内容に触れる感想を含むため問題ない方は読んで下さいね★







日本、アメリカ、シリアを舞台とする今この瞬間にまさに起きている戦争の物語。


ストレートにその現状を芝居で表現する挑戦的な作品で賛否分かれる凄さでした!



-なぁ、70年も前の戦争ばかり追いかけて、一体いつまで目を背けるつもりだ?-


2016年8月。混沌するシリア情勢を打開すべく、米国とロシアとアサド政権は停戦協定を締結しようと進めていた。

戦争をしている国・シリアで停戦協定の渦にのまれる、反政府ゲリラ組織ファディア戦線。

戦争をはじめる国・アメリカでは、その停戦協定の裏で暗躍するCIA。

そして、戦争を忘れた国・日本では、とある恋人同士が口づけを交わしていた。


脚本家・ジュオス藤桑と音楽家・佐藤舞希子が文字と音で紡ぐ、
現代・今この瞬間にまさに起きている戦争の物語。




舞台となるのは、
・日本国 高田馬場 日本人女性宅【戦争をわすれた国】


・シリアアラブ共和国 イドリブ ファディア戦線アジト【戦争をしている国】


・アメリカ合衆国 ヴァージニア州 フェアファックス CIA本部【戦争をはじめる国】


の3ヵ所。シリアとアメリカの関係性は想定できるのですが、舞台を観ている流れで、
日本とシリアに接点が生まれたりする所にはビックリさせられたりもしましたね。



DOG時代からずっとお芝居観てる増田さん。今は、いぶさんa.k.a.伊吹俊信さんと
改名されていて今日舞台観てきたんだけど、やっぱいぶさんのお芝居好きだわあ。
演じる役柄は舞台の世界観を醸していたしリアルでした!


今回の舞台、coochは何度か観ているので知っている役者さんがたくさん居たのですが、
他にも、日本のシーンで出演している美村伊吹さんはDOGの『母の桜が散った夜』、ご自身
のプロデュース公演『シロ』『SMOKIN' LOVERS』でお芝居観たことがあって、
アメリカのシーンで出演している齋藤明里さんはDOGの『問題のない私たち』でお芝居
観たことがあって、舞台となる3ヵ所共に注目できる役者さんが実は居たりとこんなに
知ってる方が集まってるんだあと思いながら観劇できたのも良かったなあ。


まず、会場に入って圧倒されたのですが、舞台上を支配する巨大な白い左手。
美術彫刻のようなその巨大な手は何かをつかむような雰囲気で、覆いかぶさる
ようにそびえることから、会場で座って開演を待っている時、舞台が始まって
からの序盤はまだ違和感を覚えていたのですが、終演したことには、違和感が
無いことに気付かされました。




日本国のシーンは、馬馬ゆのんさん演じるミキの家を舞台とし、美村伊吹さん演じる
キョウコの2人の女性同士の愛が描かれていてね。キョウコが舞台上に出てきた瞬間、
緒川凛さんだあー!って思って知っている役者さんが出演されていて嬉しくなりましたね。
美村伊吹さんに改名されていたのを知らなかったのでビックリでした。


この2人に、日向翔梧さん演じるミキの後輩、ハイジが絡んで構成されるストーリーは、
キョウコが一人で家にいる時に、強姦に襲われたことにより大きく動き出すの。


シリアのアジトにおける女性の悲鳴にリンクする形でキョウコが悲鳴をあげた時に
それは起きてね。これにより知る由もない強姦魔の男の子供を身籠ることになる
キョウコ。
恋人であるミキは女であり2人の間には子供が出来ることは無い。


キョウコのお腹の中の子供は産むことは無かった…。


その後、キョウコがミキに子供を産みたくなったことを打ち明けるシーン、2人の
感情の交錯がすごく良かったなあ。


キョウコはミキに別れを切り出すと、ミキに焦りが見えてね。止めようとするんだけど、
キョウコは2人との間の最後になるのだろうか、キスをしようと言い、ミキにキスを
して双方が離れた時に悲しみに暮れてたよね。


ミキの子供が欲しい!それがキョウコの本心。そして共に感情が込み上げ泣く。


泣いているミキのことを優しく抱きしめるキョウコの姿は、2人の人間性をすごく
感じさせてくれるシーンでもあったなあ。
ミキは素直な人間で、大人だけど子供らしさも持ち合わせているというイメージ。
キョウコは大人で、優しい人だよね。なんだか抱きしめているときに母性的なもの
すら感じました。


ミキの部屋から出ることを決めたキョウコは、ミキの後輩のハイジにミキの近くに
居てあげてってお願いしてたね。


ミキはラップミュージシャンであり、恋人であるキョウコとのことを舞台の題名にも
なっている「AFFECTION」というタイトルで歌にしているらしい。
でね、終盤にミキが実際にこの歌を歌ってくれるんだけど、歌詞が2人の様子をすごく
感じさせるものでした。チェロの演奏してくれていた方も良かったです。


ミキが歌ってる姿を後方で観ているキョウコの表情がすごく良かったなあ。感情の流れ
が遷移して行くのが伝わってきたし、荷物を持ち出て行くところまでしっかりと
魅せてくれたのが良かったです。


そして、この曲の使い方が僕が観た解釈だけどすごかったなあ。まさか、シリアに行った
日本人のスマホにこの楽曲が入っていて、それを奪ったシリアのファディア戦線兵士
が効いているってゆうね。


キョウコが居なくなった部屋でおもむろにノートに何かを書きはじめるミキは歌詞が
思い浮かんだのではないだろうか?この時に書いた詞はどんなものだったのだろうか?
と少し気になるラストでした。


ぐちゃぐちゃとなった部屋(戦場)を見て感じたこととは…。
←なんだか、客である自分たちがこの舞台で表現される生々しくすさまじい戦場の見て
感じたこととは…。


を最後に投げかけているのではないか?と感じるものでした。




アメリカ合衆国のシーンは、レストランにおける食事のシーンがメインとなっていてね。
一緒に食べているはずなんだけど、各々が個のような感じも受けました。


シリア対策チームに移動してきた新人クロエを演じる齋藤明里さん。
レストランでの食事の食べ方とかもお上品で、さすが明里さんと感じながら
観ていました。


そして、道井良樹さん演じるCIA長官のアーロンがさすがの存在感でしたね。


これから戦争をはじめようとしているアメリカ。


停戦協定が締結されて、アメリカが本当はテロ組織に多大な支援をしていることが
世界に公になって欲しくない。矛先を自国に向けないために。


事実を知る人もいれば知らない人もいる。それはアメリカもシリアアラブ共和国の
ファディア戦線も同じ。
ファディアはアメリカを攻撃する事実がある。


クロエの想いは「世界を平和にしたい」と何もできず無念な気持ちを込めて言うと、
長官のアーロンも「疑うなよ、俺も一緒だ」と…。


最善の策は戦争を終わらせること。


戦争は始めた奴にしかやめられない。


ならば、私が全部を初めて、全部をやめる。


クロエの導き出した答えに、CIA諜報員たちが「ようこそ」とチームに招き入れる。


但し戦争をはじめられるのはクロエではなく「この俺だ!」と長官が諭し、戦争を
始める決断を。


アメリカのシーンではレストランで行われる会議の議論が白熱して行く展開が惹き
付けられました!




シリアアラブ共和国のシーンは、ファディア戦線アジトが中心となっているんだけど
とにかく無残な辛いシーンの連続で、断片的にTVニュースやネットニュースで観たこと
のある風景が生々しく舞台上で演じられていて衝撃的でした。


捕えられたアメリカの現地CIA諜報員が捕虜となる場面が舞台の始まりなのですが、
このシーンが残酷過ぎて、ファディア戦線兵士たちが寄ってたかって捕虜をいたぶる
姿は目を覆いたくなるほどでした。
手は縛られ、顔には袋が被せられ、自白させるまで暴力を続ける。それは、兵士
達が疲れてしまうほど続いて。


捕虜をいたぶる様子をビデオカメラにおさめる男、アブドサラームを演じる
新惟ジンさんはこの前、演劇革命企画で観たことがある役者さんだったので、
あっ!と気づきました。


時が経過し、捕虜はいたぶられた手が不自由となり、空腹を満たすために地面に落ちた
虫なのだろうか?何かを探しては口に入れる状態で、それをも兵士たちに邪魔され
弄ばれていく。人間としての自我が崩壊して行く様子が観て取れました。


ファディア戦線アジトに女性たちが連れて来られる。兵士たちの欲望を満たすために
その慰安婦にレイプを繰り返し。中には14歳の女の子が居て、その子だけはと必死に
守り通そうとする女性もいる。


兵士に選ばれた女性が奥に連れて行かれ、その声が舞台上に漏れてくる。


ファディア戦線の幹部がやってくると、14歳の女の子が目を付けられ、恐怖に怯える
表情を見せる。そして奥へ連れて行かれてしまう。


慰安婦たちの現実は、男の相手をし、子供が出来れば、産めなくなる薬を強引に
飲まされ、それを必死で吐こうとする光景…。ただ、その現実を観続けている自分が居ました。


捕えてきた女性の中に、兵士の妹がおり、なんと言えばよいのだろうかとゆう再会
を果たす。そして、兵士である兄に、仲間がこの女を犯すように言われてしまう光景。


ずっと嫌悪感を抱く光景が続くシリアアラブ共和国のシーン。


井吹俊信さん演じる日本人カメラマンのクスガワは、東樹さん演じる日本人ジャーナリスト
のナイトウ、高橋奏さん演じる通訳のナジュワと共に捕虜となってね。
ファディア戦線アジトに連れられてきたときの表情には不安・恐怖と追い詰められた感情が
焦り、兵士たちの言葉が分からない怖さ、それを通訳に訳してもらい聞く反応とすごく
リアルでした。


クスガワは兵士の隙を狙っては後ろ手に縛られているロープに力を入れてみるも取れる
訳はなく。一意の望みにかけて行動に移してたり。


拘束されている時が経過してくると、人間としての生気だったりが削げ落ちていく雰囲気が
クスガワを観ていてすごく感じられました。


一番最初から捕虜となっているアメリカの男は、兵士に手の爪を剥がされたり、尋常じゃない
いたぶりを受け、ついには横たわり動かなくなる。


日本人たちは、この国のことを世界に伝えるためにやってきただけであり、介抱してほしい
と訴え、それを通訳が訴えるも届かずで…。希望が断たれる状況。


ファディア戦線アジト近くにも空爆が始まり、アジトにも危険が迫る。


ここで、脱出計画を立てる幹部は、捕虜を一緒に連れて行くわけではなく、厳選し14歳の
女性を連れて行く。これに、他の捕虜が自分たちもと縋る光景は、なんとも言えないものでした。
自分たちをこんな目に合わせている人物になぜそうしなければいけないのかと。
観ながらにいろんな葛藤が渦巻き。
最初に14歳の子を守ってくれた女性が、その子に行きなさいと告げ、縋った妊娠していた
女性は兵士にお腹を踏みつけられてしまう。


日本人カメラマンのクスガワは空爆の影響で崩れたものが直撃し横たわっている。


空爆の影響が激しくなり、アジトを逃げようとする兵士が、日本人たちん近くにナイフを
投げ捨てて逃げ出していく。ジャーナリストが助かり女性を助け喜び抱き合うも、隣に
寝ているカメラマンの息絶えた姿を目撃することになる。


大爆撃がアジトを襲った結末は、悲しみしか残らない現実でした。



鋭くリアルに切り込んだ問題作は悲しい結末でしたがそれを直視したからこそ
考えさせられるものがありました!


とにかく、すごかったです!




■内容
-なぁ、70年も前の戦争ばかり追いかけて、一体いつまで目を背けるつもりだ?-

2016年8月。混沌するシリア情勢を打開すべく、米国とロシアとアサド政権は停戦協定を締結しようと進めていた。
戦争をしている国・シリアで停戦協定の渦にのまれる、反政府ゲリラ組織ファディア戦線。
戦争をはじめる国・アメリカでは、その停戦協定の裏で暗躍するCIA。
そして、戦争を忘れた国・日本では、とある恋人同士が口づけを交わしていた。

脚本家・ジュオス藤桑と音楽家・佐藤舞希子が文字と音で紡ぐ、
現代・今この瞬間にまさに起きている戦争の物語。


■キャスト
《日本国 高田馬場 日本人女性宅》

馬馬ゆのん・・ミキ(ラップミュージシャン)
美村伊吹・・・キョウコ(ミキの恋人)
日向翔梧・・・ハイジ(ミキの後輩)


《シリアアラブ共和国 イドリブ ファディア戦線アジト》
大熊祐我・・・ムブディ(ファディア戦線兵士)
吉田弥・・・・ドゥア(ムブディの妹)
関川太郎・・・デイビス(現地CIA諜報員/捕虜)
野仲真司・・・ハミド(ファディア戦線幹部)
新惟ジン・・・アブドサラーム(ファディア戦線兵士)
田中誠・・・・ガハール(ファディア戦線兵士)
阿部勇樹・・・ナディム(ファディア戦線兵士)
阿部隆太・・・サマド(ファディア戦線兵士)
寺戸郁人・・・フセイン(ファディア戦線兵士)
古賀祐介・・・フサム(ファディア戦線兵士)
池永亜美・・・マリカ(慰安婦(妊娠))
岸本綾菜・・・バスマ(慰安婦)
前田美香・・・シャフイカ(慰安婦)
東樹・・・・・ナイトウ(日本人ジャーナリスト)
井吹俊信・・・クスガワ(日本人カメラマン)
高橋奏・・・・ナジュワ(通訳)
渡邉恵子・・・アントナン(仏人ジャーナリスト)


《アメリカ合衆国 ヴァージニア州 フェアファックス CIA本部》
道井良樹・・・アーロン(CIA長官)
齋藤明里・・・クロエ(CIA新人諜報員)
森マリミ・・・ケイト(CIAシリア現地諜報員)
川上健人・・・コール(CIA諜報員)
前川昂哉・・・イアン(CIA諜報員)
柴田靖子・・・ジェシカ(CIA諜報員)
山内航・・・・ラリー(CIA諜報員)
松嶺悠香・・・ウエイトレス
佐藤舞希子・・チェリスト

矢島綾人・・・死体


■スタッフ
脚本:ジュオス藤桑、佐藤舞希子
演出:ジュオス藤桑


そんなこんなで。


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